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17.09.24

Shirakawa Go Around編集部

村のしごと

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土地とつながり、人とつくる

かつて白川村では日本海に向けて流れる庄川を用いて、伐採した材木を下流にあたる富山方面に流していた。その材木流しを由来として昭和12年に創業されたのが、小坂建設株式会社である。小坂建設は雄大な自然の中で地域と向き合いともに歴史を重ねてきた。

ところが現在は村の高齢化が進み、この会社も同様、社員の約半数が50歳を上回る状況だ。

 

昨年4月、そんな白川村へ20年ぶりに帰ってきた人がいる。

小坂健太郎さん(44歳)だ。

地域の方々や社員を”みんな”と呼び、暖かな笑顔で話す健太郎さん

小坂建設社長の長男坊だった彼は、地域の中で信頼しあいながら働く大人たちを見て育ってきた。自然と”将来自分もこの会社を支えていこう”という思いを抱く。

千葉の大学を出てからは小坂建設と同じく、道路を整備している県外の会社に就職。以来20 年、高速道路をメイン舞台に転勤を繰り返し、全国各地を渡り歩いた。

昨年4月、村の高齢化に伴いついに帰ることを決意。子どもがなかなか帰ってこない家が多いため、村のみんなに「よう帰ってきた!」と喜ばれたそうだ。

 

村外の空気を知って、なお帰ってくる。そこに葛藤や迷いはなかったのだろうか。

健太郎さんは「戻ってくることに抵抗は全くなかった」と気負うことなく笑う。

土木の勉強をしながら、様々な土地で、色々な人とチームを組んで仕事ができただけで嬉しかった。多くの経験を積みながらも、最終的には白川村に戻ってきたいという思いはぶれなかったそうだ。

 

村で働くこと、暮らすこと

現在は村での仕事を学ぶ日々。春から秋までは通常の工事。冬になると雪が3メートル近く積もるため、現場作業は停止し国道の除雪作業を請け負っている。

健太郎さんは、会社のメンバーや地域の方々に教わることばかりだと嬉しそうに語る。

 

特に大切にしているのは地域の方々を知っていくこと。村で生活すると、祭りや運動会をはじめとした地域の活動がたくさんある。白川村で44歳はまだまだ若手であり、貴重な働き手だ。日々の暮らしやイベントを通して20年ぶりに会うおじいちゃんおばあちゃんはもちろんのこと、移住してきた若い人たちとも積極的に交流をはかり、少しづつ顔見知りを増やしている。

会社とは関係なく、地域のみんなとして横のつながりがしっかりあるそうだ。社員の中には消防団に入っているメンバーもいる。祭りなどで集まって、ワーワー言いながらみんなで楽しく飲むこともある。

 

都会では深夜まで仕事をやらなければならないことも多い。仕事の後に地域の活動と聞くと、体力が持たないのではないだろうか?と疑問を抱く。しかし、田舎は都会と比べて仕事の全体量が少ない。小坂建設は定時17時にほとんど毎日あがることができる。そのぶん健太郎さんは夕方から夜にかけて、地域の活動に参加しているそうだ。

 

また、少し周りを見渡せば広大な山々と豊かな水が目に入る。日が暮れるのを眺めていてもいい。合掌造りの町並みを散歩してもいい。地域の人と生活の中に、仕事が自然に溶け込んでいる。健太郎さんは休日に、釣りをするのが好きだという。会社の目の前に広がる庄川で、ひとり黙って魚を釣るらしい。

村を縦断する庄川の清流

 

一方で20年間の社会人生活を振り返りながら、健太郎さんは都会と田舎、どちらがいいと比べることはない。村の外と中、昔と今、周囲の人々に向ける眼差しは変わらず柔らかい。特に若者に向けて、健太郎さんはこう語る。

 

「今戻ってきて、1年とか2年は思いっきり働いておいてよかったなって思いますね。それがあったから今頑張れてるなってのがあるんです。貴重な体験だと思います。がむしゃらにみんなで仕事して、途中で飲んだりしつつなんとか朝方に仕事をまとめて、よかったよかったって。そんな時代があったからこそ、もし、これから大変なことがあった時に、あの時こんだけ頑張ったからできるだろうっていう」

 

外での経験があったからこその自分であり、それが村で無駄になることはない。一度村外で働いたからこそ、今の自分が頑張れている部分もある。

加えて、村ならではの嬉しいことも。

 

「今日見てもらう現場なんかは雪がたくさん積もって雪崩が発生する箇所でもあるんですね。道を覆うトンネルは、雪崩を防止するための構造物。そういう風に道路が良くなると地元の人から『あそこ工事してくれたから良くなったね』って声がよく聞こえます。それは嬉しいなって思いますね」

山々に囲まれた小坂建設の事務所

 

白川村とともに

小坂建設は、とにかく事故を絶対に起こさないよう、安全第一を掲げている。社員が熱中症にならないように、水分補給や休憩はきちんと摂らせたり、現場で危険がないようお互いに声を掛け合う。社員同士で数人のチームを組み、助け合いながら働く小坂建設は開放的で風通しがいい。また取材中に、事務の女性がスポーツドリンクを差し入れしてくださった。何気なく気遣い、笑顔あふれる小坂建設の空気は、長く地域に信頼されてきた理由の一端を感じさせる。

道路に雪崩防止用の建造物を作っている現場

 

「あまり外に広く出てこうってつもりはないんですよね。地元に根付いた企業でありたいってのがあるので。事業を広く県外とかに出てやろうかっていうことはできるんでしょうけど、そこは考えてないですね。地元でしっかりと大きくなくてもいいから、ずーっと末長く、細々とでもやっていけたらいいっていう思いです」

 

そのためにも、小坂建設で頑張ってくれる若い力が必要だと語る。都会に慣れているとどうしても抵抗があるかもしれない。食材を買おうと思うと、1時間かかるスーパーに行き、1週間分の食材をまとめて買っている。コンビニエンスな生活はない。代わりに人との温かなつながりや、広けた青空、透き通る川、歴史ある家屋、ここにしかないものがある。村の生活が苦じゃない方、なるべく長く働ける方、元気がある方。ぜひ一度村で働くことの良さを知ってほしい。

 

 

小坂建設株式会社

【問い合わせ】

TEL 05769-5-2346(代)

FAX 05769-5-2348

E-mail info@kosakaube.co.jp

【所在地】岐阜県大野郡白川村平瀬396-22

【公式ホームページ】http://www.kosakaube.co.jp/company/

※社員を募集しています。求人情報等をホームページでご確認の上、お問い合わせください。

 

この記事を書いた人

芹川瑠美

熊本県出身18歳。筑波大学芸術専門学群1年。

いろんな人と話したくて参加しました。普段はお絵描きしたりゲームをしています。お祭りとかポジティブな空気が好きです。ご飯も大好き。白川村、本当に素敵で美味しい空気でした。また来ます。

※本記事は9月3日~8日に白川村で開催された白川郷ヒト大学の「ローカルワーク編集合宿」で製作されました。

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