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17.09.19

Shirakawa Go Around編集部

村のしごと

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庄川のように長く愛される企業を目指して

白川村から日本海へ向かって流れる庄川。

村の人たちから愛されてきた清流である。

かつては建材用の木材がこの川を流れ富山へと出荷されていた。

秋の庄川 釣りを楽しむ人も多い

 

この材木流しをルーツに持つ企業がある。

本社の外観

 

創業80年を誇る小坂建設会社は、もともと材木流しをしていた。昭和30年代に御母衣ダムができ、材木流しの代わりに建設・河川工事を行うようになった。今では従業員50人という白川村を代表する企業となっている。公共・民間工事の施工や建設材料の製造販売だけでなく、道の駅での打ち水大作戦や、仕事で関わった合掌家屋でのごはん会開催など地域貢献にも力を入れている。

 

今回は取締役の小坂健太郎さん(44)にお話を伺った。

私は建設関係の方に怒鳴られたという経験もあってか、建設会社と聞くと「強面の男性が多く、近寄りがたい」イメージを抱いていた。

しかし事務所で迎えてくれた健太郎さんは、こちらが拍子抜けしてしまう程に物腰柔らかな人だった。

健太郎さんは2016年4月、Uターンで白川村に帰ってきた。

「帰ってきてほんとわからないことだらけで、みんなから教わることばっかりなんですよ」

謙虚さが表情と言葉ににじみ出ている。「祖父が起こし、父が引き継いだ会社を、自然と小さいころからやっていかなければいけないのかなという思いはあった。他のことは考えていなかった」という。不思議と他の職業への憧れもなかったそうだ。

「白川村へ帰る」という思いを胸に、大学卒業後は20年間県外の高速道路会社に勤務した。

好きな言葉はと聞くと、これもまた謙虚に

「うーん……初志貫徹とかですかね……響きが好きです(笑)」

考えた末にはにかみながら答える健太郎さん。

「いやいや、あなたの生き様は初志貫徹そのものですよ!」と思わず言ってしまいそうになった。

就職して1・2年の頃はがむしゃらに働いたという。今日は寝ないと決め、徹夜で働くこともあった。

「とにかく仕事だけしかしないって時期があってもいいのかなって思いますね。何かあったときに、あのときこれだけ頑張ったからできるだろうって思える。頑張りの糧となるというか、そういう経験は重要だなって思いますね」

穏やかな人柄からは想像できない熱血な一面が垣間見えた。

 

住民の命を守る仕事

仕事のやりがいについて伺ってみると「道が整備されたときに、地元の方から『あそこ工事してくれたから良くなったね』って声を聞くと嬉しいですね」と話す。

道路だけでなくスノーシェッド(雪崩防止の壁)を作る仕事もあるという。

スノーシェッドの施工現場 トンネルのようにつなげていく

聞くと冬場は豪雪のため建設業ができず、仕事が無い。春から秋は建設業、冬は除雪作業が主な仕事だそうだ。

雪があまり降らない地域で育った自分にとっては、雪国ならではの仕事内容に驚いた。目に見える形で住民のくらしに貢献できるという点がとても魅力的な仕事に思えた。

独特の緊張感が漂う現場
資格よりも大切なこと

「どんな人材に入って来て欲しいですか」という問いに「長く働ける方」という答えに加え、

「元気な方」「田舎生活が苦じゃない方」という答えが返ってきた。

「元気な方が良いなと。土木業界、現場なんかで大声でしゃべらなくちゃいけないような場面があるので」

安全管理に気をつかっていくと、自然と騒音に負けじと声が大きくなるのだとか。

そして「田舎生活が苦じゃない方」に関しては自身の生活を交えて説明してくれた。

「本当に田舎で何もないので、都会に慣れているとどうしても抵抗があると思います。うちだと食材を買おうとしてもスーパーマーケットがないので、一番近いスーパーに1時間かけて行って、1週間分の食材をまとめて買っていますね。都会に住んでいる方だと不便かもしれませんね」

最寄りのスーパーまで1時間というのは、都会の感覚では考えられない。買い物へ行くのにも一苦労だ。しかし愛知県から就職した男性曰く、社宅に住んでいた頃、近所の方から野菜をいただくこともあったという。田舎の不便さだけではなく、都会にはないつながりや思いやりが白川村にあることも知ってほしい。

 

仕事と地域活動の両立

さらに健太郎さんの生活について聞いてみると、地域活動にも積極的に参加している様子が見受けられた。季節によっては、仕事終わりに祭りの打ち合わせや準備があるそうだ。

仕事で疲れているのに地域活動にも参加して…とものすごく多忙なのではと聞いていて不安になったが、健太郎さんはそう思っていなかった。

                                  

「田舎と都会では仕事のボリュームがちがう。前の会社はすごく忙しくて、深夜まで働くこともありました。今はここの会社に戻ってきてから深夜までっていうのはない。ほとんど定時には上がれる。多少残業はあったとしても、夜は地域の活動ができるっていう。それくらいの仕事のボリュームなので、バランスは取れているのかなっていうふうに感じますね」

人口が減少している田舎では、祭りや草刈りといった地域活動も自分たちでしなければいけない。地域活動は仕事と同じくらいの重要さを持つ。小坂建設に限らず田舎で就職しようと考えた場合、企業が求めるのは地域活動・住民と関わる姿勢があるかどうかという部分が、資格や学歴よりも求められるのかもしれない。

「今うちの地域には11軒あるのかな。11軒ある中で、自分が一番若いんですよ。そのうち8軒はもう70~80代なので。役を振り分けて祭りの準備とか係員になろうとした時に、70~80代の方々だけでは大変なこともある。当然もう自分がやるしかない。そういう状況です。他のところもそうですけど。子供がなかなか戻っていないお宅がいっぱいなので、自分が昨年帰ってきたときもみんなに喜ばれました。よう帰ってきた!って」

取材中、終始笑顔の健太郎さん

そう語る健太郎さんは大変と愚痴をこぼすわけでもなく、生き生きとしていた。私も田舎暮らしをしているので、健太郎さんの話に共感できた。祭りの準備から開催、撤収を行うのは本当に体力が必要だ。そうした地域活動が時には億劫になる。だが「若くて動ける」というだけで誰かに必要とされる、感謝されるのは本当に嬉しい。他人であってもつながりを感じることができるのは、田舎ならではの魅力ではないだろうか。

 

これからのこと

小坂建設の今後についてはどう考えているのだろうか。

「まだ自分の中ではあまり外に広く出てこうってつもりはないんですよね。地元に根付いた企業でありたいので。大きくなくてもいいから、末長くやっていけたらいいなと思っています」

そう語る健太郎さんの姿は熱くて眩しい。小坂建設が、庄川のように地元から長く愛される企業であってほしい。心の底からそう思った。

 

 

小坂建設株式会社

【問い合わせ】

TEL 05769-5-2346(代)

FAX 05769-5-2348

E-mail info@kosakaube.co.jp

【所在地】岐阜県大野郡白川村平瀬396-22

【公式ホームページ】http://www.kosakaube.co.jp/company/

※社員を募集しています。求人情報等をホームページでご確認の上、お問い合わせください。

 

この記事を書いた人

中山のぞみ

京都府出身。奈良県立大学地域創造学部4年生。

現在は高知県土佐町に移住して卒論の調査中。

人口400人ほどの集落で暮らしています。

 

将来の夢はアラスカに行くこと・猟師になること・地球上の色んなお肉を食べること。

岐阜県民のソウルフード「鶏ちゃん」のジビエ版を作りたいなーとぼんやり考えています。

※本記事は9月3日~8日に白川村で開催された白川郷ヒト大学の「ローカルワーク編集合宿」で製作されました。

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